第19章 止められない気がかり

有川紘樹が一瞬で陰って、敵意むき出しの視線を向けてきても、川西拓海は気にも留めなかった。

まるでそこに誰もいないかのように、まっすぐ佑奈のほうへ歩いていく。

「君に持ってきたお菓子なんだけどさ。うちの祖母が好きでね、海外から何人もに頼んで取り寄せたんだ。食べきれなくて……よかったら君も味見して」

佑奈はくすりと笑って受け取る。

「ありがとう。うれしい」

二人が周囲など見えないみたいに話しているのが、有川紘樹の癇に障った。

今まで佑奈にここまで存在を無視されたことなどない。刺のある声が勝手に出る。

「こんな時間に、わざわざ菓子を届けに来たのか? いつでもいいだろ。深夜に来る理由は...

ログインして続きを読む